奥の深い酵母の世界 No Beer, No Life. その34

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お酒造りに欠かせない醗酵を司る酵母の世界は奥が深い、将にイースト・コントロールが酒の味を決めると言っても過言ではないのです。ビールを作る為に使われる酵母は2,000種ほどあると聞きます。

新しいスタイルのビールを造る時には、最終の味を想像した上で幾つもの酵母を試してから、最適の酵母を決定します。酵母は基本的な味、香りを決めるビール造りの生命線なのです。

ちなみにアウグスビールは、ドイツのミュンヘン工科大学から種酵母を購入し使用しています。

この大学の醸造学科の前身はベネディクト派のヴァイエンシュテファン修道院です。

購入した酵母は劣化させないように「酵母バンク」に預け、仕込みの度に少量から培養させて使用します。しかしながら、酵母は気まぐれで、1回目の仕込みでは寝とぼけるいるようで、醗酵が不十分な場合が多い、2回、3回と使い回しているうちにウォーミングアップも終わり、旺盛に醗酵活動します。

8回以上使うと今度は疲れてきて旨いビールが造れなくなります。また、原料とのマッチング、温度、湿度と云った環境次第で醗酵の具合が異なります。この様に全ての醗酵の過程が異なるビールをほぼ同じ味に結実させるのが、ビアマイスター(醸造家)の腕なのです。