■目次
- クラフトビール開業の魅力と市場背景
- クラフトビール開業の魅力とは?
- 日本におけるクラフトビール文化の発展
- クラフトビール開業のチャンスとは?
- 事例1:千葉県銚子市「銚子ビール」
- 日本一早く初日の出が見られる街に開業
- 全くの素人からの挑戦
- 銚子を盛り上げながら3年で醸造量6倍に
- 事例2:東京都新橋「新橋クラシックラガー」
- 印刷業の新規事業にクラフトビール?
- ピンチをチャンスに転換
- 地域とつながるクラフトビール
- 事例3:千葉県香取市「伊能忠次郎商店」
- 地域活性化の一環で開業
- 体験も提供する場に
- 地域の問題を解決するクラフトビール
- 事例4:茨城県つくば市「つくばブルワリー」
- 人と人を繋ぐブルワリー
- つくば市を盛り上げたい思いから
- コロナ禍を乗り越えて愛されるお店に
- まとめ: 成功事例から学ぶクラフトビール開業のヒント
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【この記事を書いた人】
アウグスビール株式会社
取締役COO 村井 庸介
店舗併設型クラフトビール工場の立ち上げ支援を行う。 1985年生まれ。慶應義塾大学を卒業して野村総合研究所に入社。 独立後、老舗クラフトビールのアウグスビールの坂本社長と出会い、クラフトビール造りにほれ込み株主となる。
1. クラフトビール開業の魅力と市場背景
クラフトビール開業の魅力とは?
クラフトビールの開業には、独自の魅力があります。
まず、自由度の高さが挙げられます。大手ビールメーカーが大量生産を行う一方で、クラフトビールは個性を大切にした小規模生産が特徴です。
これにより、独自のフレーバーやスタイルを追求することが可能です。
さらに、地域性を活かした製造も可能で、地元の特産品を原材料に使ったビールを作ることで、地域経済を活性化させたり、地域に根ざしたブランドを築いたりすることができます。
また、消費者の多様化するニーズに対応できるのも魅力の一つです。
日本におけるクラフトビール文化の発展
日本のクラフトビール市場は1990年代後半から急速に成長してきました。
1994年にビール製造免許の規制が緩和され、小規模醸造所の設立が可能になったことが、そのきっかけです。
特に、地元の素材やフレーバーにこだわったビールを作る「ローカルブリュワリー」が注目されています。
これにより、日本各地で地域に根差したクラフトビールが誕生し、観光業との連携や地域活性化の一環としても役立っています。
クラフトビール開業のチャンスとは?
現在、クラフトビールの開業には大きなチャンスが広がっています。
クラフトビール市場は今なお成長中であり、消費者の興味も高まっています。
特に新しいビール体験を求める層が増えており、個性的なクラフトビールが市場で強い競争力を持つ時代です。
また、ネット販売やSNSマーケティングを活用することで、地元以外の顧客層にも訴求できるのが、現代のクラフトビール業界の強みとなっています。
この記事では、クラフトビール開業の成功事例を4つ紹介します。
2. 事例1:千葉県銚子市「銚子ビール」
日本一早く初日の出が見られる街に開業
日本一早く初日の出が見れる街、銚子市犬吠埼に醸造所&タップルームを開業した銚子ビール。
「銚子を世界一“チョウシいい”まちに!」するというのが目標を掲げ、クラフトビールでどこまでできるかというチャレンジをしています。
全くの素人からの挑戦
オーナーの佐久間さんは醸造の知識は全くなく、クラフトビール作りの知識はほとんどない素人でした。
「「街を元気にしたい」という思いで立ち上がったので、ビール醸造に関しては本当に素人だったんです。 なので、自分たちで本当に作っていけるか、というのは不安でしたね。」と語ります。
しかし、免許取得や機器購入まで専門家にサポートしてもらいつつの開業で、300ℓのタンクを導入してスタートさせました。
銚子を盛り上げながら3年で醸造量6倍に
銚子を盛り上げたい、元気にしたいという思いから2020年にオープンした「チョウシ・チアーズ」は、3年後の2023年には月刊醸造量を6倍に増量、拡販も開始しています。
街を盛り上げながら、事業も調子良く伸びているマイクロブルワリーです。
3. 事例2:東京都新橋「新橋クラシックラガー」
印刷業の新規事業にクラフトビール?
新橋の地で三代続く印刷業を営んでいる「河内屋」が、異業種からのマイクロブルワリー開業の事例です。
河内屋は、50周年を迎えたことでステーショナリーブランド「Kunisawa」を立ち上げ、ライフスタイルブランドへ転換していく過程で「クラフトビール」を取り入れることを決めました。
2022年に無事「Kunisawa Brewing」を開店し、順調に成長しています。
ピンチをチャンスに転換
新型コロナウイルスの流行により、印刷業の仕事が激減。
どうにかしないとと思っている時、印刷業とは別軸の事業として、自社ビルの1階を有効活用しながらクラフトビール開業を決意しました。
最初はビール瓶を持って、飲み屋さんに突撃して試飲してもらう形で広げていったのだとオーナーの國澤さんは語ります。
地域とつながるクラフトビール
元々新橋で事業をしていましたが、マイクロブルワリーを開業することでより地域の人と交流する機会が増えたのだとか。
地域貢献もしながら、地元に根付くお店へと進化中の「Kunisawa Brewing」、今後も注目ですね。
4. 事例3:千葉県香取市「伊能忠次郎商店」
地域活性化の一環で開業
千葉県香取市の小江戸の雰囲気を味わえる街にある「伊藤忠次郎商店」。
ビール醸造所300リットルを3タンク設置し、地元のホップを使用したペールエールやIPAを醸造して提供しています。
オーナーは、中学生まで香取市に住んでおり、地元に恩返しがしたいという思いがあったのだそう。
経営学の専門家として、地域活性化の視点からビール事業を始めていったようです。
体験も提供する場に
鉄骨の倉庫をリノベーションした建物は、小江戸な雰囲気に馴染む外観になりました。
経営学者でもあるオーナーは、モノ消費からコト消費にも注目し、ビール造りの体験の場としていくことも計画中です。
ただビールを飲むだけではなく、体験も提供しながら地元を盛り上げていくブルワリーも成功事例の1つと挙げられるでしょう。
地域の問題を解決するクラフトビール
香取市は綺麗な街並みで特徴的ですが、観光客が滞在する時間が短く、長く滞在してもらうことを課題としていました。
また、観光客にとっても地元の人にとっても喜ばれるお店が必要と考え、地元の食材を活用しながらここでしか味わえないビールを製造することに。
今後は自分で作ったものを飲むという喜びを体験してもらいたい、と話します。
地域の問題解決と事業の発展がWinWinな関係で、これからも盛り上がっていきそうです。
5. 事例4:茨城県つくば市「つくばブルワリー」
人と人を繋ぐブルワリー
つくば市の二宮に醸造所とタップルームを備えた「つくばブルワリー」。
人と人を繋ぐブルワリーにしたい、という思いから開業したブルワリーは地域の人にも観光客にも喜ばれるブルワリーになっています。
ビール事業は未経験でしたが、プロのサポートも借りて立派なマイクロブルワリーをスタートさせ、今では地域の人も観光客も繋ぐ、地域のスポットとなっています。
つくば市を盛り上げたい思いから
つくば市で初めてのマイクロブルワリーとなる「つくばブルワリー」。
「みんなで楽しんでつくばを盛り上げていきたい」という思いをもとに、地域に根付くブルワリーを作っていきました。
ビールは、ビールを提供するだけではなく、地元の農産物とのコラボで限定ビールを作ったり、地域の事業者同士で協力してイベントをしたりと、「楽しい場所」を造るきっかけになるのではないかとオーナー延時さんは考えます。
コロナ禍を乗り越えて愛されるお店に
ブルワリーを始めたタイミングでコロナ禍となってしまったつくばブルワリー。
コロナ禍は家にいる人が多いため、SNSでの発信に重きを置いたと言います。
SNS発信による集客でコロナ禍を乗り越え、SNSを見てくれたお客さんはコロナ明けにどんどん来店してくれたようです。
ネットを活用しつつ逆境も乗り越えながら、地域の人に愛されるブルワリーは丸4年を迎えました。
今後もつくばを盛り上げていくことでしょう。
6. まとめ:成功事例から学ぶクラフトビール開業のヒント
未経験でも成功できるクラフトビール開業
クラフトビール事業で成功している事例のオーナーは、ほとんどがビール事業未経験です。
未経験でも1から学んでいけば、クラフトビール開業は難しくありません。
しかし、初心者が自力で全て行うと効率が悪いため、プロにサポートしてもらいながら効率的にブルワリーの開業に向けて進むのがオススメです。
その地域ならではのメリットを
成功しているブルワリーは、その地域の特徴を掴んでいます。
特産物を使用したビールを作ったり、観光客にも地域の人にも喜ばれる場を提供したりと、その地域ならではのメリットを活かすことが重要です。
ここでしか飲めないビールを提供するために、開業する地域やエリアのことを知り、ブルワリーのコンセプトを決めましょう。
思いと行動力
クラフトビールを作りたいという熱い思いと、実際にスピーディーに行動することで、クラフトビール開業は成功へと近づきます。
ビール製造のための免許を取得するには、時間もかかります。
始めるに早すぎるということはありません。
熱い思いを持って、すぐに行動していくことが大事です。
初心者の方や、開業に不安がある方は、トータルサポートをしてくれるプロと一緒に進めるのがオススメですよ。
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