Skip to content

クラフトビールの設備ガイド〜開業を成功させる秘訣は?〜

Last updated on 2025年3月30日

◾️目次

  1. クラフトビール醸造設備の基本
    • 必要な設備一覧
    • 国産と海外設備の違い
  2. 醸造設備の選び方とコスト管理
    • 損益分岐点を考えた設備選定
    • 設備導入の費用と資金計画
  3. 主要な醸造設備の役割と機能
    • ブリューハウス(Brewhouse)の仕組み
    • 発酵タンクと品質管理
  4. 醸造所の設計と運営のポイント
    • 設備レイアウトと効率的な動線
    • 配管や衛生管理の重要性
  5. 成功するクラフトビール設備選びの秘訣
    • 初期投資を抑える工夫
    • 長期的な視点での設備計画



クラフトビール醸造所にご興味がある方へ

クラフトビール醸造所の設立を検討されている方必見!
30分のオンラインセミナーで開業までのステップが全てわかります。セミナー後には、質疑応答のお時間もご用意。疑問点や気になることも、一気に解決します。

[毎月開催オンラインセミナー]




クラフトビール醸造設備の基本


必要な設備一覧

クラフトビールを醸造するには、基本となる設備をそろえる必要があります。
まずは必須の設備を理解しておきましょう!必須の設備は以下の通りです。

  • ブリューハウス(Brewhouse)
    麦汁を作るための設備で、糖化や煮沸を行う
  • 発酵タンク
    麦汁を発酵させ、ビールを作るタンク
  • 貯蔵タンク
    発酵後のビールを熟成させるためのタンク
  • 充填機
    瓶や缶、樽にビールを詰める機械
  • 冷却システム
    温度管理を行い、発酵や熟成を適切に進める設備
  • 洗浄設備(CIPシステム)
    衛生管理のための洗浄装置

国産と海外設備の違い

クラフトビール醸造設備には、国産と海外製(主に欧米・中国製)の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の方針に合ったものを選びましょう。

  • 国産設備の特徴
    • 高品質で耐久性が高い
    • メーカーによるサポートが充実している
    • 初期費用が高め
  • 海外設備の特徴
    • 比較的安価で導入しやすい
    • 最新技術を搭載したモデルが多い
    • メンテナンスや部品調達に時間がかかる場合がある

海外製の設備を導入する際は、サポート体制や保証の有無をしっかり確認することが大切です。


クラフトビール醸造設備の選び方

損益分岐点を考えたクラフトビール醸造の設備選定

醸造設備の規模を決める際は、年間の生産量と損益分岐点(固定費と変動費を回収できる売上のポイント)を考慮する必要があります。

酒類製造免許を取得する際に基準として、年間6,000L以上の製造能力が必要です。月に500Lであり、概算1,500杯ほどぼクラフトビールを製造・販売することになります。

初期投資では、上記を実現することを考えながら、事業計画に合わせた設備の導入を選定すると良いでしょう。

  • 小規模ブルワリー(年間6,000L〜25,000L)
    • 初期投資が比較的少なくて済む
    • 直営店舗やイベント販売がメイン
  • 中規模ブルワリー(年間25,000L〜100,000L)
    • 卸売やEC販売を視野に入れた規模
    • 設備の拡張性を考慮する必要がある

クラフトビール醸造設備導入の具体的な費用

醸造所の開業には、設備費用のほか、設置費や運転資金も考慮する必要があります。
以下が具体的な参考価格になっています。

  • 設備費(目安)
    • ブリューハウス(1,000万円〜3,000万円)
    • 発酵タンク(1基あたり200万円〜700万円)
    • 充填設備(300万円〜1,500万円)
  • 設置・工事費
    • 設備の搬入・配管工事(500万円〜2,000万円)
    • 冷却システム設置(200万円〜600万円)
  • 運転資金(目安)
    • 原材料費、光熱費、人件費など(年間1,500万円〜を見込む)

サイズや機能、メーカーに応じて値段は様々となっています。
またクラフトビール事業では、自治体や国の補助金を活用できるケースがあります。「ものづくり補助金」「中小企業新事業進出補助金」などをチェックし、資金計画を検討しましょう。

自社の事業計画にあった設備や使える補助金を知りたい方は、是非毎月開催のセミナーにご参加ください。

主要な醸造設備の役割と機能

ブリューハウス(Brewhouse)の仕組み

ブリューハウスはビールの原料である麦芽を糖化し、発酵に適した麦汁を作るための設備です。以下の装置が含まれます。

  • ホットリカータンク
    仕込みに使う水を加熱・保持する
  • マッシュタン
    麦芽を温水と混ぜて糖化させる
  • ラウタータン
    糖化液(麦汁)と麦芽のカスを分離する
  • ボイルケトル
    麦汁を煮沸し、ホップを加えて香りと苦味を調整する

発酵タンクと品質管理

発酵タンクは、糖化した麦汁に酵母を加えて発酵させる装置です。発酵温度の管理が品質を左右するため、

  • 温度制御機能のあるタンクを選ぶ
  • 酵母の種類に応じた発酵条件を設定する
  • 定期的にタンクの清掃・メンテナンスを行う

ことが重要です。

醸造所の設計と運営のポイント


設備レイアウトと効率的な動線

醸造設備の配置は、作業効率と安全性を高めるために計画的に設計する必要があります。以下の点を考慮しましょう。

  • 作業動線を短縮
    麦汁の移動、発酵、充填の流れをスムーズにする
  • スペースを確保
    清掃や機器メンテナンスがしやすい設計にする
  • 拡張性を考慮
    生産量増加に対応できる設計にする

配管や衛生管理の重要性

醸造所の配管は、ビールの品質に直接影響を与える重要な要素です。

  • ステンレス製配管を使用
    耐久性と衛生面で優れる
  • CIP(定置洗浄)システムを導入
    洗浄・殺菌作業を自動化し、衛生レベルを向上
  • 水質管理を徹底
    使用する水の硬度やpHを調整し、ビールの味を安定させる

成功するクラフトビール設備選びの秘訣

初期投資を抑える工夫

クラフトビール事業を始めるにあたり、設備投資は大きな壁のひとつです。限られた予算の中で、どのように設備を選び、導入すればよいのでしょうか。ここでは、初期投資を抑えつつ、理想のビールづくりを実現するための工夫をご紹介します。

  • 海外メーカーの設備を視野に入れる
    日本国内でクラフトビール醸造設備を取り扱うメーカーは限られており、規模やカスタマイズの柔軟性にも制約があります。一方、海外には多種多様なクラフトビール設備メーカーが存在し、ニーズに応じた設備が見つかる可能性が高くなります。輸送やメンテナンスの課題はあるものの、コストパフォーマンスや性能面で優れるケースも多く、選択肢に入れる価値は十分にあります。

  • クラウドファンディングの活用:
    開業と同時にファンづくりもできるクラウドファンディングは、クラフトビール事業と非常に相性が良い手法です。開業資金の一部をまかなえるだけでなく、醸造所のコンセプトやビールへのこだわりを共感してくれる「応援者」を得ることができます。初期段階からブランド価値を高めるためにも、積極的に活用を検討してみましょう。

  • 補助金の活用
    初期投資そのものを減らせるわけではありませんが、中長期的な資金計画を立てる上で、各種補助金や助成金の活用は非常に重要です。特に地域振興や観光促進、地産地消を目的としたクラフトビール事業には、自治体や国の支援が得られる可能性があります。タイミングや条件の確認が必要なため、早い段階から情報収集を進めましょう。

長期的な視点での設備計画

成功する醸造所は、開業時だけでなく将来の成長を見据えて設備計画を立てています。

  • 拡張可能な設備を選ぶ
  • メンテナンスのしやすい設備を選定
  • 持続可能な運営モデルを構築する

開業時の設備選びが、クラフトビール事業の成否を分ける重要なポイントとなります。
弊社アウグスビールが開業支援した先では、開業の数年後に醸造設備の拡張や第二醸造施設を作っている事業者が多くいます。
お困りの際には、是非一度ご相談をいただければ幸いです。

飲食店やホテルでの開業、企業での新規事業での検討など様々なご相談を頂いておりますが、三者三様で作りたい醸造所は異なります。クラフトビール開業の際はじっくり検討し、設備選定をしてみてくださいね。

【この記事を書いた人】

アウグスビール株式会社
取締役COO 村井 庸介

店舗併設型クラフトビール工場の立ち上げ支援を行う。
1985年生まれ。慶應義塾大学を卒業して野村総合研究所に入社。
独立後、老舗クラフトビールのアウグスビールの坂本社長と出会い、クラフトビール造りにほれ込み株主となる。

■クラフトビール醸造のおすすめ記事




– クラフトビールの開業にご興味がある方へ

マイクロブルワリーの設立を検討されている方は是非、アウグスビールのマイクロブルワリープロデュースをご検討ください!資料請求は、以下画像をクリックください。

クラフトビール醸造


■クラフトビール醸造のおすすめYoutube


Published inマイクロブルワリー