No Beer, No Life. その28

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「植物コミュニケーション」と云う言葉を聞いたことがありますか? 動けない植物だからこそ、虫に食べられた植物は警告物質をもって仲間に知らせると同時に、仲間も協力して同じ警告物質を増幅噴射して、その虫の天敵を呼び寄せるのだそうです。この警告物質の中にテンペン類と云う揮発性の物質が含まれる。このテンペン類こそが今回のテーマであるホップにも香気成分として含まれています。

“食文化とは「食べられる物」と「食べる者」の相互関係の歴史である。”と云う考え方があります。「食べられる物」つまり被捕食食物は食材となるわけですが、そう簡単に食べられまいと種々の『生体防御機構』を働かせます。「食べる者」つまり捕食者も同様に『生体防御機構』を働かせ注意深く「食べられる物」を増やしていきます。食べることつまり捕食は被捕食食物にとっても一方の捕食者にとっても命がけの行為となるわけです。と同時に、被捕食物の『生体防御機構』は病原菌や昆虫や鳥の捕食から身を守るシステムであることから、この『生体防御機構』を摂取する事で捕食者が病気から身を守ることに気が付くようになります。いわゆる薬草の発見です。

中世の修道院は錬金術と薬草育種の研究所的存在であったと同時に、薬草のホップの持つ芳香と殺菌力がビール造りに最適であることも発見しました。これが修道院ビール(トラピストビール)の由縁となります。将に「良薬は口に苦し」のホップなのです。

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